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特集 手すり
理学療法士・作業療法士にも簡単に取り付けられる手すり
Handrail: Easy Installaction of Handrails
相良 二朗
1
,
森本 栄
1
,
秋藤 一夫
2
Jiro SAGARA
1
,
Sakae MORIMOTO
1
,
Kazuo AKIFUJI
2
1兵庫リハビリテーションセンター生活科学課
2宮城県拓杏園
1Hyogo Rehabilitation Center.
2Miyagi Takukyo-en.
pp.371-377
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104041
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Ⅰ.初めに
手すりは古くから建築物に取り付けられてきたが,われわれがイメージする物とは用途も少し違っている.一般には手すりは,転落の防止や歩行の誘導として取り付けられることが多く,装飾も兼ねる場合もある.一方,肢体障害者にとっては,立つための支えや体を浮かせるための支点とすることなどが手すりの第一の目的となる.この点からは,「手すり」と言うよりも「握りバー」と呼ぶほうがふさわしいかもしれない.1本の手すりが日常生活動作(ADL)を可能にすることもあり,住宅改造の第一歩としてとらえられている.日曜大工で取り付けることも可能なことから「まず手すりでも」と安易に考えられがちである.しかし,全体重を支えることができるように堅固に取り付けるのは実際にはたいへんであり,価格的にも問題が無いわけではない.簡単なようでなかなか簡単にはいかないのが手すりであろう.
理学療法士や作業療法士は手すりの取り付けを指導する機会が,他のリハビリテーションスタッフよりも比較的多いであろう.対象者が有効に使用できるようには適切な指導が必要である.本章では,まず市販されている手すりの種類について述べる.次いで,実際例として脳血管障害後遺症による片麻痺者と脊髄損症による両下肢または四肢麻痺者(以下,脊髄損傷者と略記.)とを対象に,手すり取り付けの結果と使用状況ならびに,取り付けるうえでの注意点について述べる.標題からは理学療法士や作業療法士が実際に取り付けると受け取られるかもしれないが,取り付けかたの指導の方法と考えていただきたい.
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