Japanese
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特集 手すり
―障害別にみた手すり・3―頸髄損傷(完全麻痺)者のための手すり
Handrail: Handrail for Patient with Complete Cervical Cord Injuries
佐藤 弘一
1
,
重田 三恵子
1
,
上條 得滋
1
,
島田 克充
1
,
中山 節子
1
,
内山 明美
1
Koichi SATO
1
,
Mieko SHIGETA
1
,
Tokuji KAMIJO
1
,
Yoshimitsu SHIMADA
1
,
Setsuko NAKAYAMA
1
,
Akemi UCHIYAMA
1
1長野県身体障害者リハビリテーションセンター
1Nagano Prefectural Rehabilitation Center for the Disabled.
pp.364-370
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104040
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Ⅰ.初めに
一般的に頸髄損傷者(以下,頸損と言う.)は四肢麻痺を呈し,障害程度は重く,日常生活動作(以下,ADLと言う.)の面でもその自立に向かって,さまざまな努力とくふうとの挑戦にかなりの時間を費やす.にもかかわらず介助に委ねる部分が少なくない疾患である.
頸損のADLは機能レベルによっておおむね決まると言われているが,その身体的機能の限界や家族の介護,その他の状況などに適合した環境の調整は自立を支えるうえで不可欠な要因である.
環境の調整いわゆるゴールとなる生活場面の整備(家屋改造など)は,多くの要素について検討されなければならない.今回のテーマである「手すり」も重要なものの一つであり,機能面に果たす役割の大きさを日常痛感しているところである.しかしわずかな残存機能と手すりの適合により目的動作を獲得することはそれほど容易なことではなく,その結果については一喜一憂するところである.
長野県身体障害者リハビリテーションセンターで筆者らが十数年来,チームで取り組んできた家屋改造などについての相談,指導および助言の経験を基に,自立および介助量の軽減に効を奏した項目に主眼をおき,手すりと手すりに準ずるもの(以下,準手すりと言う.)およびその関連項目について述べる.
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