学会印象記
第21回作業療法学会印象記
小川 惇
1
1伊予病院作業療法科
pp.632-633
発行日 1987年9月15日
Published Date 1987/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103867
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学会印象記の原稿依頼を受けた折,まず最初に「これは困ったぞ」と思った.なぜなら,今年の学会は,2年後に迫った地元松山での学会にとってもっとも参考となるはずの貴重な機会であり,フリーな立場でいろんな面からじっくりと金沢学会を見聞きしてみようと,かねてより計画していたからである.しかし,依頼に続いて「内容はおまかせしますので,御自由に…….」と付け加えられたので,受けることに決めた.したがってこの印象記は,従来のような学術的内容のみを重視したものではなく,2年後の学会開催を義務付けられた地方の一会員の雑感であることをお断りして,本題に入っていきたいと思う.
日本作業療法士協会が,満20歳の成人式を迎え大人の仲間入りを果たした記念すべき昨年の第20回学会(東京で開催)は,スタートから参加者の度肝を抜くとともに,開会前の緊張した心を和らげ,落ち着かせる役割を果たしたチェロとピアノの奏楽に始まり,“作業療法その核を問う”というきわめて難解な問題をテーマにしたシンポジウムを,矢谷協会長自らが司会して幕を閉じるというように,劇的で感慨深いものであった.
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