Japanese
English
特集 内部障害(2)
諸種心疾患と運動負荷
Exercise in Various Diseases of the Heart
田中 寿英
1
Toshihide TANAKA
1
1榊原記念病院
1Sakakibara Heart Institute.
pp.368-373
発行日 1987年6月15日
Published Date 1987/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103798
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
心疾患に対する運動負荷は最近のトピックで多岐にわたっている.虚血性心疾患の診断,mortalityやmorbidityを含めた予後の同定に運動負荷が利用されている.虚血性心疾患の中で急性心筋梗塞患者に運動負荷を施行し,high risk患者とlow risk患者の選別を行い,high risk患者にはさらに必要な診断を行い,その結果から治療の選択が行われる.一方,治療面からは予防を含めて梗塞後の心臓リハビリテーションがもっとも重要である.現在のところ,診断,治療に関してはほとんど虚血性心疾患に注目が集まっているが,その他,心不全患者に対する運動負荷の治療面での効果や,心不全に伴う運動量の低下の機序,拡張型心筋症やその他の原因による心不全の運動負荷に対する反応の相異,弁膜症患者の弁手術の時期に対する検討などに運動負荷が用いられている.
今回は次の順序で話を進めていきたい.①虚血性心疾患の診断における運動負荷の役割り,②慢性虚血性心疾患の予後を決定するうえでの運動負荷の役割り,③急性心筋梗塞後の運動負荷,④主として虚血性心疾患のリハビリテーション,⑤心不全と運動負荷,⑥弁膜症,高血圧,不整脈,先天性心疾患と運動負荷.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.