Japanese
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特集 うつ状態
うつ状態の作業療法―精神科
Occupational Therapy for the Depressive State in the Psychiatric Patient
石谷 直子
Naoko ISHITANI
pp.393-396
発行日 1986年6月15日
Published Date 1986/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103575
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Ⅰ.病院で出会ったうつ病患者
昨今,うつ病患者が増えているといわれるが,一般精神科病院の病棟で出会うことはまだ少ないようである.外来治療のみで済んでいる人が多いのも事実だが,精神科を憚って内科に入院する例も結構多いようである.
筆者は,大学病院に勤めていた関係で,比較的多くのうつ病患者を見てきた.入院中の患者に作業療法を試みたことは言うまでもないが,作業室が病棟内にあり,病棟スタッフとして活動していたので,患者の入院生活のあらゆる側面を見聞きすることができた.急性期の彼らは,周囲に関心を示さず臥床がちで,日常生活にも看護婦のケアを要するため,作業療法士(OTR)はあえて働きかけたりしない.ゆっくり休養をとってもらう.しかし1カ月もすると,徐々に活動性が出てきて,レクリエーションに顔を出したり,あれこれ訴えては詰所を訪れる回数も増えて来た.
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