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編集後記
荻島 秀男
pp.884
発行日 1985年12月15日
Published Date 1985/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103472
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最近医療経済学という言葉が流行している.適切な医療費とより良い医療のあり方というのはわが国だけでなく世界的に永遠の課題なのかもしれない.保険本人に一割負担を導入したり,退職者保険を2割負担にしたり姑息的な手段が目にあまる.最近退職者保険の方は拠出金が余りすぎて返還をするという予測違いの全くだらしのないニュースも伝っている.そもそも日本人の美徳か悪徳かわからぬが,医は仁術として金銭的話題を永い間医療職自身がタブーとし,その間に行政側のよいように振り廻された感が強い.医学系の授業を担当する教授連は少なくとも医療費の点数計算,入院料位暗算で出来る程度の知識と自覚を持って戴きたい.その上で学生を教育すれば少なくとも在学中に学生も医療における経済的感覚を養うことが出来るであろう.
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