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はじめに
理学療法作業療法の教育制度は,昭和40年6月法律第137号による理学療法士および作業療法士法によって定められた.18年を経過した昭和58年12月現在,理学療法士養成学校は34校,作業療法士養成学校は21校を数え,さらに数校が設立準備中である.各校では厚生省・文部省令理学療法作業療法学校養成施設指定規則(以下指定規則)および同指導要領に準じ,優れた療法士が輩出されるよう,特徴あるカリキュラムを組んでいる.一般には3年間教育で,一年次は一般教養科目と基礎医学科目,二年次で臨床医学と専門科目,三年次は臨床実習という流れで実施されているようである1,2,3).教育に関しては文部省,厚生省,理学療法士協会,作業療法士協会あるいは各学校などのレベルで,長年,検討,改善されてきているが,臨床教育に関しては,まだ多くの問題が山積みにされているようである.指定規則および同指導要領によれば,臨床実習に関して以下のように規定している.臨床実習は理学療法作業療法の理論と実技およびこれに必要な基礎科目を終了した時点で行うものとし,指導者の責任の下に必要な検査,測定および治療を実際に行うものと示され,総計1,080時間をこれに当てるものと定められている.しかし,この特集のテーマである臨床見学に関しては,指導要領に『臨床実習が始まるまでに自主的に病院や施設を訪問し,十分理解するよう指導することが望ましい』と示しているに過ぎない.要するに見学は学生の自主性に委ね,必修教育科目として扱わなくてもよいと解釈できる.したがって臨床見学の重要性は問われても,正規のカリキュラムで実施していない学校も多く存在する4).
そこで,この稿では,理学療法作業療法の専任教官を対象とした臨床見学に関するアンケート調査結果を含め,主として一年次で行われている臨床見学の意味や方法などについて,教育者側の立場からいくらかの私見を述べてみたい.
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