「わかり易い疾患別リハビリテーション看護」―木村哲彦著

　本書は，医師である著者の16年間にわたるリハビリテーションとの係わり合いに基づき書かれた「リハビリテーション看護」の本である．“リハビリテーションチームの構成員として知っておきたい事を中心に構成”したものであり，著者は“本来あるべき姿のリハビリテーションチームができ上った時には，この本に書いた程度の知識と考え方については誰しも十分に自分のものとし，同じ哲学を持っている必要があるのではなかろうかと考える次第です．”と述べている．

　本書のように，関連分野ではあるが多少立場の異なる者が著わそうとすると，往々にして通り一遍に終ってしまったり，ウエイトの置き方が読者層の期待とズレていたりするものであるが，本書においては，そりいった印象は少ない．が，もう一歩，といった感がある（こう評する私自身も看護婦では無いのだが……）．