特集 デイ・ケア
デイ・ケアの位置づけ
寺山 久美子
1
1東京都心身障害者福祉センター
pp.695
発行日 1981年8月15日
Published Date 1981/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102453
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周知のごとく,昭和49年1月25日の健康保険法の改正によって,精神科デイ・ケアが保険給付の対象となった.この折,従事する医療チームの条件として精神科医の他,看護婦(士),作業療法士,精神科ソーシャルワーカー,臨床心理技術者が必要とされた.それが,昭和53年1月28日の改正では,作業療法士の不足を理由として,作業療法士の存在が必須条件でなくなり,「作業療法士または精神科デイ・ケアの経験を有する看護婦(士)」というように変更された.これには,国立精神衛生研究所における看護婦(士)に対する1か月の講習が義務づけられた.
我々作業療法士が「デイ・ケア」ということばをきく時,まず頭に浮ぶのはこの精神科デイ・ケアにおける事件ではないだろうか.デイ・ケアの普及を早くはかりたいという面では,この措置は理解できることである.が反面,デイ・ケア業務の中心となるべき作業療法について,専門家の存在を必須条件としなくなったという点からみれば,質の保証をどれだけできるか多いに危惧されても仕方のないことであった.
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