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編集後記
冨岡 詔子
pp.617
発行日 1981年6月15日
Published Date 1981/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102432
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たしか学会紛争が一段落した頃の精神神経学会だったでしょうか,分裂病に関するシンポジウムがありました.「分裂病の研究自体が分裂している」といった意味の,土居健郎教授の発言に,目が醒めた思いをしたことがあります.恥しい話,この一言が,私の学会から得た最大の収獲だったのです.他にどんな発表があったか,もうすっかり忘れてしまいました.
「群盲,象を撫でる」の落し穴に陥らぬよう,自分がどこに立って分裂病を見ているか,他の人はどう見ているかを,少しずつ意識するようになったのも,この学会参加がきっかけになったような気がします.
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