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はじめに
早期発見,早期治療と言う言葉は聞き慣れた言葉であるが,脳性麻痺に関して言えば,今や一歩進んで,超早期発見,超早期治療と言われ,0歳での発見・治療が常識になろうとしている.
「脳性麻痺はどうにもならない」と言った医学界の不文律のようなものは,Bobath法をはじめVojta法等の神経発達学的アプローチが導入されるに至り大きくくずれ,脳性麻痺も少なからず予防できると言った方向へと変りつつある.
今までこの不文律のために脳性麻痺についての研究は遅れがちであったし,その治療法の導入,開発にも,一部の人々を除いて,あまり積極的に取り組まれていなかったのが日本の現実であろうと思われる.
この事はまた,整形外科的機能訓練が,理学療法の中心をなし,本人の“意志”と言う事に重点が置かれていたために,早期治療と言っても3歳ぐらいで,知能的な遅れのないものでないと訓練の対象にならないとされていた事にも一つの原因があるように思われる.現在では超早期治療が当然の事として受け止められているし,すでに大きな成果をあげている施設も多い.同時に我々PT・OTは今まで整形外科の専属のように思われていたが,小児科との連携も重要になって来ている.これはVojtaの診断法が導入されて以後,小児科医が中枢神経系障害への関心を高め,文字通り超早期発見が進み,我々PT・OTとの関りが多くなって来たためである.ここで問題となって来たのが,こうして発見されても,適切な治療の場が少なく,結局,地域の中にある肢体不自由児通園施設(以下通園施設と略す)へ送られるからである.ところが,この通園施設は,この子供達を受け止めるためには,医学的な面であまりにも不十分で,大きな問題である.図1は当園の過去10年間の初診時年齢の変化をあらわしたものである.昭和42,43年頃の0歳児は脳性麻痺以外の疾患である.直接通園施設へ来る子供は少なく,ほとんどが,他の病院などから送られて来た時の年齢であるから,他の病院などではこれよりも早く発見している事になる.Parent Training and Several Problems on the Liveout Institution for Crippled Children
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