The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 11, Issue 2
(February 1977)
Japanese
English
研究と報告特集
間接的(反射的)温熱療法の下肢末梢血行動態に及ぼす影響に関する実験的考察―超短波療法の場合
The Experimental Study on the Effect of the Peripheral Circulation of the Lower Extremity by Indirect or Reflex Heating. Short-Wave-Diathermy
嶋田 智明
1
,
和才 嘉昭
1
,
緒方 甫
2
,
半田 一登
2
Tomoaki SHIMADA
1
,
Hajime OGATA
2
1九州リハビリテーション大学校
2九州労災病院リハビリテーション診療科
pp.133-137
発行日 1977年2月15日
Published Date 1977/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101421
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緒言
末梢循環障害(Peripheral Vascular Disorders,以下P.V.D.と略寸)の治療に於いて,温熱療法は,末梢血管拡張を効果的に生じるという点で重要な役割を果すことが多い.しかしVan't Hoffの法則によれは,局所組織温度が10℃上昇すれば,組織の新陳代謝活動は倍増するといわれているところから.P.V.D.の存在する場合,局所酸素供給量と組織に於ける新陳代謝活動のバランスを考慮すれば,局所熱の直接的適用は,効果的な血管拡張を来すというより,むしろ有害かつ危険である可能性の方がはるかに大きくなる.このような観点に立てば,一般にP.V.D.の存在する部位への直接的熱適用は禁忌であるとされている.しかし温熱が末梢血管拡張を生じ,血行改善に優れたmodalityであるという事実に加え,生体に於ける末梢血管反応の特性を考えればP. V.D.罹患部位外の身体の一部に温熱を与えて,罹患部の血管拡張を間接的に生じせしめることは可能で,この種のアプローチ法は,生体という複雑な自動御機構の特性を生かした効果的かつ安全な方法の一つといえるかもしれない.
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