Japanese
English
特集 ICU
CCUの機構と機能について
On the structure and function of coronary care unit
下村 克朗
1
Katsuro SHIMOMURA
1
1東大病院第2内科
pp.337-341
発行日 1976年5月15日
Published Date 1976/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101217
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Ⅰ.その意義と成り立ち
これまで一見正常に見えた患者が心臓の調律異常から俄かに心停止を生じて死の危機に直面した場合,熟練者が即時適切な心肺蘇生術を実施すれば患者は再び生命を確保し得ることは今や医学の常識となっている.この様な常識が定着するに至った過程は,除細動法や心肺蘇生術の出現から,今日のCCUの隆盛に至る比較的短期間の歴史の中にその一端を跡づけることが出来る.その詳細は他書にゆずるとして,今日一般に用いられている心肺蘇生術は1960年Kouvenhovenらがmouth-to-mouth法による人工呼吸法,体外式心臓マッサージ,および体外式電気的除細動の3者を組合せて考案した閉胸式蘇生術が基本となっている.現実に心肺蘇生術の適応として最も多いのは心筋硬塞の急性期であり,切迫した緊急事態にその処置を最も迅速にかつ効果的に行うことが治療の要点となる.“Intensive care集中監視”の概念は,特定の患者を病院内の一定の区域に集め,ここで患者の監視を集中的に行い,同時に看護の能率化をはかろうとするもので既に病院管理学の立場からも存在していたが,1962年米国のBrown,Day,Weltzerらがそれまで病院全体に亘って分散していた発症早期心筋硬塞症の患者を病院内の一カ所に集め,心電図をモニターしながら厳重な観察下におくことを目的とした病室を夫々別個に発足させたのがCCUの始まりである.
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