追悼
故 矢郷弥太郎先生偲ぶ
関川 博
1
1東京警察病院理学療法室
pp.850-851
発行日 1973年11月15日
Published Date 1973/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100737
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矢郷さんは,5月鈴木会長代行と私を前にして,“実は会長就任早々で悪いけど,胃潰瘍なのでOpeを受けるので1カ月程入院したい.そのあと1ヵ月程静養すれば元気になるのでそれ迄協会のことをお願いする.実はこのことを今日言おうか,明日言おうかと随分迷ったが,言ってしまったら肩の荷がおりたよ”と安心したように,“これで気楽にOpeが受けられる”と言い残して別れ,それから僅か3カ月後忽然と急逝され私の驚きと悲しみはこれに勝るものはなく誠に残念と云うほかありません.
私とあなたとの出合いは,あなたの弟秀弥と学友である私が疎開先である湯河原のお宅を訪ねたとき紹介され,そのときは,シベリヤ帰りの見習士官ということ以外は余り記憶にありませんでした.のちに20年近く苦労を共にし,あげくに葬儀委異長をつとめるとは思いもかけませんでした.
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