Japanese
English
研究と報告
大腿四頭筋の機能障害に対する回復訓練―バネ筋力計による負荷抵抗運動
Training of the injured quadriceps with spring balance
永井 睦悌
1
,
大道 進一
2
,
長山 巌
2
,
長谷川 孝子
2
,
中島 房子
2
Nobuyoshi NAGAI
1
,
Shinichi DAIDO
2
,
NAGAYAMA Iwao HASEGAWA Takako NAKASHIMA Fusako
2
1鳥取県済生会境港病院整形外科
2鳥取県済生会境港病院理学診療科
1Department of Orthopedics Sakaiminato Saiseikai Hospital,Tottori
2Department of Rehabilitation Center Sakaiminato Saiseikai Hospital,Tottori
pp.61-64
発行日 1970年2月9日
Published Date 1970/2/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100291
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はじめに
最近,交通事故や労働災害の急速な増加に伴って,下肢の外傷性疾患は増加の傾向にあり,当院整形外科入院患者の約25%を占めている現状である.
なかでも下肢骨折や膝関節損傷に起因して,大腿四頭筋の機能障害を後遺する患者は昭和44年3月以降16例に及んでいる.
大腿四頭筋は,すでに周知のとおり,起立や歩行の際に膝の固定ならびに体重支持にきわめて重要な作用をもっている.したがって,この機能障害は起立・歩行をはじめとして,日常生活動作に大きな影響を及ぼしている.
今回は,この下肢外傷性疾患のなかから訓練の対象となった16例を引用して,筋力強化および筋耐久性の増大を目的として,漸増抵抗運動を中心に大腿四頭筋の回復訓練の結果を報告する.
年齢別・性別発生数は図1に示すとおりであるが,好発年齢の多くが身体的活動の最も激しい20代から40代にかけての9例(56%)が最高で,性別でも男性が増加の傾向を示している.一方,起因性疾患別では図2のごとく,膝関節側副靱帯,半月板損傷を主とした膝関節疾患が全体の過半数を占めている.
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