特集 耳鼻咽喉科・頭頸部画像診断の最近の進歩
X線普通撮影法(血管造影法を含む)
飯沼 壽孝
1,2
1東京大学医学部附属病院分院耳鼻咽喉科
2東京大学
pp.523-529
発行日 1987年7月20日
Published Date 1987/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210336
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はじめに
X線撮影法(血管造影法を含む)の最近の進歩には大別して二つの方式がある。第一は従来からの直接X線写真システムに改良を加えた方式で,高圧撮影法,パノラマ撮影法,ゼロラジオグラフィー,陰影の定量的計測法,などである。直接X線写真システムはX線発生源,対象,X線フィルム,増感紙を用いる方式で,X線フィルム上の画像は連続量(アナログ量)である。直接X線写真システムの画像は画質(空間分解能)がよく,1枚のX線写真内に膨大な情報を有する。しかしこの方式でよい画質を得るためには高度な取得技術を必要とし,正しい診断を下すには高度の読影技術を必要とする。
第二の方式は両像を離散的数値(ディジタル量)で表現しこの数値を処理して情報(画像)を取り出す方式で,X線CTによる大規模なディジタル画像処理方法の技術を応用した方式である。X線画像をディジタル化することをComputedRadiology(CRと略)というが,これには従来のX線フィルム上の画像をディジタル化する方法,螢光増倍管(Imagc lntensifier,I.I.と略)の画像をTVカメラを使ってディジタル化する方法(Digital Fluorography,DFと略,またはI.I.-TV系とも表現する方法),さらには特殊なイメージソグプレート(IPと略)を用いてディジタル化するFCRシステム(Fuji ComputedRadiography)がある。
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