目でみる耳鼻咽喉科
滲出性中耳炎の耳管機能検査法について
桜井 時雄
1
,
小林 俊光
1
,
高橋 邦明
1
,
武山 実
1
1いわき市立総合磐城共立病院耳鼻咽喉科
pp.516-517
発行日 1985年7月20日
Published Date 1985/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209980
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滲出性中耳炎の耳管機能の測定は臨床上重要な問題である。耳管は換気ならびに排泄の作用を営む。滲出性中耳炎では中耳は陰圧と滲出液との条件下にあり,さらに鼓膜に穿孔がないことから,従来の方法では検査が難しい。検査には中耳の条件をできるだけ変えないで行うことか理想である。そこでまず陰圧の有無について検査し,陰圧を是正し耳管の機能を自然嚥下により検査した。排泄は味覚法,色素法,換気は鼓膜面の圧変化の観察から耳管の開口障害の有無について定性的に検査できることを図で示した。この検査は滲出液を排除する操作過程で行える簡便な方法であり,検査結果はほぼ一定であり臨床に応用できることを述べた。
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