特集 頸部腫脹の臨床
II.診断・治療
先天性頸部腫脹
高橋 廣臣
1
Hiroomi Takahashi
1
1北里大学医学部耳鼻咽喉科
pp.847-856
発行日 1983年10月20日
Published Date 1983/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209682
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I.正中頸嚢腫(甲状舌管嚢腫)
本腫瘍は甲状舌管の遺残組織から発生する。したがって,舌根部より甲状腺部までのいたるところに発生するが,最も頻度の高い部位は舌骨と甲状軟骨の間の頸部主中である。多少左右に偏在することがある(図1,2)。男性に多く,青壮年期に発症するが10歳以下でも稀ではない。内腔は線毛上皮または扁平手上皮で覆われ,上皮下に甲状腺組織をもつことが多い。癌化の報告もある。
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