特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域 腫脹の診断
26.その他の頸部腫脹
宮原 裕
1
1奈良県立医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.142-155
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901034
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はじめに
頸部腫脹をきたす疾患として他の項目で概説されている先天性嚢胞,唾液腺疾患,鰓性癌,頸部リンパ節の炎症,悪性リンパ腫,転移性リンパ節,甲状腺疾患以外について述べていくことにする。それらには皮膚自身,血管性,リンパ管,神経,筋,他の結合織を発生母地とする炎症性疾患,腫瘍性疾患が鑑別の対象となる。したがって,その腫脹の原因疾患を簡単に鑑別診断することは困難が多いことが予想される。また,極めて稀な代謝性疾患も存在するので一層その診断に難渋することになる。存在部位や各種の画像診断によって,その腫脹ないし腫瘍の質を予測することは今もって難しいことが多い。しかし,各々にはやはり鑑別のポイントとなる所見が存在するもので,それをふまえて順に論述する。
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