目でみる耳鼻咽喉科
鼻汁中のciliocytophthoria
佐々木 好久
1
,
是松 元子
2
,
永沼 正道
1
1城西歯科大学耳鼻咽喉科学教室
2社会保険埼玉中央病院臨床検査課
pp.578-579
発行日 1983年8月20日
Published Date 1983/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209643
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ciliocytophthoria(CCP)は,線毛円柱上皮の細胞質や核がウイルス感染によって変性破壊される過程で出現する。核は濃縮し,クロマチン過剰となり,またクロマチンが核膜の辺縁に凝集して存在するようになる(karyorrhexis)。細胞質内には好酸性の封入体や,微細な赤色顆粒が現れるが,これは典型的なCCPである。線毛円柱上皮の崩壊が進むと,線毛のある部分(tuft)と濃縮した核の部分に分解する。線毛や核が消失して細胞質の部分だけが認められることもある。
鼻汁は綿棒あるいは擤鼻で採取し,スライドグラスに塗布後cytotac(ミドリ十字)を噴霧するか,95%ェタノール,エーテル混合液に入れて固定する。papanicolaou染色をする。
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