特集 耳鼻咽喉科CT診断
CT読影に必要な基礎知識
平松 慶博
1
,
舘沢 堯
1
Yoshihiro Hiramatsu
1
1筑波大学臨床医学系放射線科
pp.745-752
発行日 1982年10月20日
Published Date 1982/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209501
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I.はじめに
コンピュータ断層(以下CTと略す)が英国のEMI社により開発製作されてEMI SCANとして世に現われて以来,まだ10年に満たないが,CTの診断学,特に画像診断を主体とするX線診断学に与えたインパクトは大きい。日本においてもCT装置はすでに約1600台が設置されている。特に脳神経系の疾患においては,CT検査はほとんど必須の検査となったと言っても過言ではない。脳神経外科,神経内科に限らず,眼科領域あるいは耳鼻咽喉科領域においてもかなり盛んに用いられているが,まだ眼科や耳鼻咽喉科領域におけるCTの利用は,脳神経外科や神経内科系における利用に比して少ない。この領域では種々のスコープにより直接あるいは間接的に観察が可能であるということもあるが,まだ耳鼻咽喉科医のCTに対する認識が不十分であるように思われる。本稿では,耳鼻咽喉科医のために,CT診断に必要な基礎事項について述べる。
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