鏡下咡語
開業医と医学教育
綿貫 幸三
1
1東北大学
pp.308-309
発行日 1979年4月20日
Published Date 1979/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208892
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最近厚生省から発表された昭和52年の統計によると,診療所開設者として代表される開業医は,総医師の44.3%,つまりほぼ半数近くの医師が開業医である。このことは,医学生のかなりの割合の人が将来,開業医になる可能性を示しているわけである。この点から医学生は開業医とは何か.その現状を知つておくことが望ましい,というよりは当然知つておくべきではないだろうか。医学生が社会に出て仕事をする時に,そこでどのような事が行なわれているかを考えずに,その元となる教育を考える事はできないであろう。
開業医が医学教育に参加し開業医というものが,社会の中の機能,形態に関してどのようなものかを,他の一般病院勤務医あるいは医育機関の勤務医などとの比較において知らせる必要があるであろう。それによつて,医学生は将来の志望の参考にすることができよう。また医学生は,国民が普段どの様な方法で医療をうけているかを知る必要があるであろう。同時に医学の地域住民を対象とした,実際の応用についても,大学病院あるいは関連病院等の場合と同様に開業医の場合も知る必要があるであろう。
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