創刊50周年記念特集 今日の耳鼻咽喉科/治療のコツと全身管理
救急時の治療—重症患者を含む
ショック
隅田 幸男
1
1国立福岡中央病院外科
pp.947-949
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208814
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ショックとは何らかの原因によつて末梢血流が急性に不全に陥入ることである。当然,末梢の組織は酸素と栄養が欠乏し,代謝老廃物の排泄も円滑にゆかなくなり,いろいろな臨床症状が現われる。顔面蒼白,血圧低下,脈拍微弱,皮膚冷感湿潤,表在静脈の虚脱,意識混濁,尿分泌減少,呼吸促進,口渇,全身疲憊などが主徴となる。何はともあれショックは"死の前兆"を意味する一症候群であるから診断と同時に治療にとりかからねばならない。
ショックの主原因としては外傷,出血,感染,心筋梗塞,アナフィラキシーなどがあげられるが,治療の根本原則は原因除去,呼吸と循環の維持の三つしかない。
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