創刊50周年記念特集 今日の耳鼻咽喉科/治療のコツと全身管理
頸部疾患
甲状腺腫大
奥田 稔
1
1和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科
pp.840-841
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208771
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甲状腺腫大の診療のコツを1頁にまとめるのは難事なので,診断を主に,当科で行なつている日常の検査方法を記すことにする。
診断法は問診,視診,触診と,機能検査(主にT3,T4測定,基礎代謝),131Iによるシンチスキャン,血清学的検査(サイロイドテスト,マイクロゾームテスト,RA,血清γグロブリン定量),赤沈,X線検査(頸部正面,側面単純,断層撮影,食道造影,必要により喉頭造影),超音波診断が主なものである。対象となる甲状腺疾患は単純性甲状腺腫,バセドウ病,橋本病,亜急性甲状腺炎,腺腫,腺腫様甲状腺腫,癌(濾胞,乳頭,未分化癌など)が大部分である。患者は直接または内科,外科からの紹介で来診するが内科的疾患より腺腫,癌などの外科的疾患が多く,癌でも反回神経麻痺,喉頭気管内浸潤,頸転移を伴う症例が多い。
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