鏡下咡語
予防接種法(種痘)の改正によせて
古内 一郎
1
1独協医科大学
pp.450-451
発行日 1977年6月20日
Published Date 1977/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208516
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種痘は昔からなじまれてきた予防接種の一つである。幼き日の想い出が,上腕にきざまれた瘢痕をみる度に甦り,また女性にとつては美容上の悩みもつきない。種痘はこれまで入類に対して数々の教訓と挿話を残してきたが,今や現代人によつて歴史的評価をうけようとしている。
ところで既に本邦はじめ先進国ではほとんど痘瘡の流行がみられなくなつた。にも拘らず法定伝染病として強制的な予防接種が義務づけられており,その結果乳幼児などに重篤な副作用(脳症,皮膚炎など)が発現し,折にふれ社会問題化してきた。
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