実態をさぐる
種痘合併症
pp.52-53
発行日 1970年9月10日
Published Date 1970/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204754
- 有料閲覧
- 文献概要
種痘年齢の検討が必要
6月以来,マスコミによって大きくとりあげられ,国民的話題となった「種痘禍」は,今年,特にこれまで以上の合併症が発生したということではなかった。不思議に思われる人がいるかもしれないが事実はそうなのである。この事を知って,国民に不安を与えたとマスコミを批判する人がいるかもしれないが,国民の関心を呼び起こし,種痘改革の火をつけた点では大きく評価してよいものであろう。
現在の日本では,予防接種法により,生後2カ月から12カ月までの問に第1期種痘をうけなければならないことになっている。第2期は小学校入学前6カ月,第3期は小学校卒業前6カ月であるが,種痘合併症は何といっても初めての接種時に多い。主に使用されている菌株は大連・池田株であり,ソビエトでの動物実験では毒性が強いとの報告がされているものである。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.