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I.緒言
小児耳管性難聴の原因に耳管扁桃の果す役割が大きいことを念頭において,耳管扁桃に積極的に向つていつた治療法には2つの方向があつた。1つはCroweに代表される放射線療法であり,もう1つはGuggenheim9),Guggenheim11),Meltzer16)らに代表される"direct adenoidectomy"といわれる手術療法であつた。
前者は聴力回復の点ではきわめて有効であつたが(花岡)1),照射後に懸念される重篤な危険性を残す点から,現在では顧みられなくなつた。また後者は上気道感染源あるいは病巣感染巣となりうるリンパ組織を可能な限り切除することを目的としたため,切除範囲があまりにも広くなりすぎ,術創の瘢痕形成によつて,上咽頭と中咽頭の境(nasopharyngeal isthmus)の狭窄ないしは閉鎖の生ずる恐れのあることをGuggenheim12)が指摘して以来,この方法に関する報告はほとんど見られなくなつてしまつた。
For treatment of eustachian tube deafness among children a method for removal of the tonsillar tissues surrounding the entrance of the tube, under a direct view, was devised and applied in 63 cases. The method for removal of the tissues surrounding the entrance of the eustachian tube is described in detail with other comments added.
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