特集 気道アレルギー
各種疾患とアレルギーとの関係—Wegener肉芽腫症
山口 宗彦
1
1国立千葉病院耳鼻咽喉科
pp.871-875
発行日 1973年10月20日
Published Date 1973/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207987
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Ⅰ.Wegener肉芽腫症の概説
本症は,1931年Klinger6)によつて初めて報告されたが,1939年Wegener9)が3症例を発表して以来,今日では,1)上,下気道また肺臓に,壊死性肉芽腫性病変があり,2)全身の壊死性血管炎と,3)糸球体腎炎を伴つた致命的な系統的疾患をWegener肉芽腫症(=W. Gと略す)と呼称されている2)3)4)。その病因については,長い間解明されなかつたが,広範にわたる壊死性血管炎や,特異的な肉芽増生性変化は,激しい抗原抗体反応の結果であることが近年になつて多方面から実証されている13)14)16)17)22)。
しかし本症の発症に,いかなる抗原が関与しているのかは未だに不明であるが,リウマチ因子や,抗核抗体が証明されることから10)20),自己免疫疾患の範ちゆうに入れられている1)7)。
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