今月の主題 頭痛とめまいの外来診療
めまいの適切な治療のために
末梢前庭性めまい
神崎 仁
1
,
倉島 一浩
1
1慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科
pp.1350-1355
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904600
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ポイント
●本稿では,めまいの原因となる内耳および内耳神経(第8脳神経,聴神経)の疾患について述べる.
●内耳の感覚器は聴覚器(蝸牛)と平衡覚器(耳石器・半規管)に分けられる.
●同様に,内耳神経は聴覚を伝える蝸牛神経と,平衡覚を伝える上および下前庭神経からなる.
●したがって,これらの疾患におけるめまいを考える場合,難聴・耳鳴などの蝸牛症状を伴うか否かによって各疾患を分類すると理解しやすい.以下にその分類を示す.①蝸牛症状を伴わない疾患:良性発作性頭位眩暈症,前庭神経炎,②蝸牛症状を伴う疾患:突発性難聴,メニエール病,外リンパ瘻,ハント症候群,内耳炎,③蝸牛症状を伴うことも伴わないこともある疾患:聴神経腫瘍,薬物による耳中毒,外傷後のめまい.この分類はあくまでも原則であり,①や②には例外もある.
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