特集 耳鼻咽喉科手術の危険度
鼻
鼻腔整復
高橋 良
1
,
堤 昌己
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.746-749
発行日 1969年10月20日
Published Date 1969/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207353
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I.術前の注意
手術法の詳細を述べる紙数をここにもち合さないが,まず手術は坐位または半臥位で行なうことを原則とするので(術視野および視角の立場から今までも報告したように坐位がもつとも無難のように思える)患者に対して十分なる説明をして不安を取除く必要がある。すなわち,不安から恐怖心が生じてしばしば手術運行を妨げるのみならず突然動いて術中の副損傷を招く怖れがあるからである。
麻酔は粘膜の塗布麻酔のみで十分である。麻酔薬の種類についてはとくにいうことはないが,如何なる薬品を使用するにもまずごく少量を試験的に使用して数分後その副作用の有無を検すべきである。粘膜塗布によるショックの発来は決して稀なものではないが,鼻腔内粘膜の塗布麻酔方法の詳細については省略する。
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