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I.はじめに
昭和35年4月,岡山市内山下小学校に難聴学級が開設されてから7年余りを経過した。ここでわれわれが目標とする難聴学級の姿は「難聴のため不幸な境遇にある児童に対して恵まれた教育の場を与え,普通の児童と同程度の学力をつけ,社会性を養い,将来不自由のない社会生活ができる能力をつける」ということである。この教育方針に基づいて教育を受けた難聴児童が小学校における難聴学級教育で目標通りになれば問題はない。
しかしこれらの児童が小学校卒業後,何ら補聴設備のない中学校で補聴器のマイク補聴だけを用いて授業を受け,果して今まで受けてきたと同等の教育効果を続けることができるかどうかという点には大きな不安があった。にもかかわらず,昭和38年までは内山下小学校難聴学級卒業生は一括して同一学区の岡山市丸之内中学校に進学させられるのみで,何ら特別の措置がとられなかつた。
ところが案じていた通り,中学生になつたこれら難聴生徒(第1表参照)の中には過去数年間にわたつて使用してきた補聴器の使用を放棄するものや,授業内容についてゆけぬために長期欠席をするものなどが現われるようになつた。この原因を生徒個々について調べたところ,その主因は教師の講義が聞きとれないためであることがわかつた。その対策として昭和39年度より普通教室にワイヤレス集団補聴設備を設け,一般生徒に混つて授業を受ける難聴生徒に対して用いたところきわめて好ましい結果が得られたので報告する。
The authors describe a type of wireless microphone in connection with a hearing aid equipment that has been employed for teaching purposes since 1963 at the Marunouchi Junior High School in Okayama City. They state that such an equipment is so highly essential and almost indispensable as a teaching facility.
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