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小児腎炎と扁桃
村上 勝美
1
,
吉田 豊
1
,
山田 隆義
1
1日本医科大学小児科
pp.1159-1165
発行日 1964年12月20日
Published Date 1964/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203361
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まえがき
腎炎の発症には先行疾患或は基礎疾患とも呼ばれている感染症が関与している場合が多いことは衆知の事実で,これら感染症は主として細菌性(ことに溶連菌)のものが多く,扁桃炎,上気道炎,猩紅熱,膿皮症などの形をとつてくる。これらの先行疾患のうち約半数以上が扁桃炎を含めた上気道感染症であり,原病巣として扁桃が腎炎発症に少なからず関係していることは明瞭である。われわれは本稿の課題について論ずるに当つて最近の知見,すなわち腎炎症例の先行疾患としての扁桃炎の状況,腎炎患児初診時の扁桃の様子,経過中の推移,及び扁摘との関係と,正常の場合の扁摘の腎に及ぼす影響などを主として記述し,かさねて現在の趨勢にふれたいと思う。
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