Japanese
English
--------------------
上部消化管憩室
ESOPHAGEAL DIVERTICULAE
木内 宗甫
1
,
新井 峻
1
,
佐々木 順三
1
Sousuke Kiuchi
1
1信州大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.929-934
発行日 1964年10月20日
Published Date 1964/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203335
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
咽頭,食道等上部消化管の憩室は吾々が日常臨床に於いて時に接する疾患であるが,憩室が小なる間は臨床症状を呈することが少ないため,他の疾患を疑い咽頭及び食道等のレ線検査を施行し,偶然に発見される場合が多い。しかしながらレ線検査に於いても,Pharyngozeleあるいは憩室が浅い初期のもの等は一過性の陰影しか呈さないため見過ごされやすい危険があり,この点特に留意せねばならない。又憩室は発生機転より内圧性,牽引性,更には内圧性牽引性等に分けられているが,その機序を知るためには局所の病変の他に,咽頭,食道の機能障害の有無,周囲器官特に肺,胸縦隔諸器官の病変,更には憩室と嚥下運動,蠕動運動,呼吸運動等の関係を精査する必要がありこれらにより総合的に診断が行われなければならない。吾々はこれ迄上部消化管憩室の16例を経験し,本症が嚥下及び食道運動等により大きさ,形等が著明に影響されること,周囲器官と密接な関係がみられる場合のあること等の点につき2〜3の知見を得たので茲に報告する。
Sixteen cases of diverticula involving the upper alimentary tract, pharynx and esophagus are reported. In 4 cases the diverticula ap-peared to be definitely acquired but in 9 cases they were congenital. Various aspects of di-verticula are discussed.
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.