増刊号 診断基準とその使い方
III.消化管
22.消化管憩室症
久保 明良
1
1都立府中病院・内科
pp.1834-1835
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221913
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■疾患概念と疫学
消化管憩室は,消化管壁の一部が外側に向かって嚢状に突出し,管腔と交通している状態である.憩室の好発部位は大腸で,大都市では最近大腸X線検査の10数%前後に発見され1),ついで十二指腸,食道の順であり,胃や空腸,回腸,虫垂ではきわめて少ない.
消化管憩室は,一般に加齢とともに発見頻度が高くなり,とくに高年者に多くみられるが,性別では食道憩室および胃憩室は男女の間に差はなく,十二指腸憩室は女性にやや多く,小腸憩室および大腸憩室は1.5〜2対1の割合で男性に多いといわれている1,2).
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