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前頭洞のMucoceleの成因が非感染洞の洞口閉鎖によることは容易に理解されることであるが,洞口の閉鎖の誘因にっいては諸説が生じている。炎症によるとなすもの,外傷によるとなすものなどあるが,とくに学説とするほどの根拠のあるものは見当らない。この誘因の一つとして後藤教授は前頭洞の発育(含気化)異常を挙げた。Mucoceleを起す前頭洞は洞の発育が良い例である場合が多いことを挙げた。洞の発育が良いと空腔器官の構成上の原則として,相対的に排泄管の狭細化が起るからであるとした。洞腔が大であれば管腔が小さいという空腔構成の原則が副鼻腔にも適用されて,肺気腫と気管支の関係に類似している。Mucocele発生の誘因の一つはこの点にあるとの考え方を後藤教授は発表された。
Mucoceleのうちにはその発育がかならずしも異常に大きいとは限らない例が存在することからすべての例がこの起り方によるとは限らない。Ductusの狭窄を起こす原因は他にも起り得るのであるが,前頭洞の著しく大でない例においては前篩骨蜂窠の発達が過良であるために,Ductusに圧迫の状態の起ることも推測されると後藤教授は説明した。かかる前頭洞および前笛骨部の発育の状態はレ線的に容易に判定できる。
From the fact that there is a greater tendency of mucoceles developing in the frontal sinuses and ethmoid cavities when these latter structures are overly developed, operative approach of such mucoceles appear to be the more appropriates when intranasal nasal routes are selected. This appears to be true even when fistula formations are encountered.
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