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緒言
われわれは前報1)において,Schubert2)(1944)によつて最初に記載され,Carhart3)(1957)がthreshold tone decay(TTD)と呼んだ感音系難聴における閾値上昇現象と,Reger & Kos4)(1952)が自記オージオメーターにおいて見出したtemporary threshold shift(TTS)なる現象とを比較し,両者は共に聴覚異常順応(abnormal adaptation)と称すべき現象であるが,前者は後者に比して陽性率が高い事,そしてそれはTTD測定の場合の音刺激が同一強度で持続的に与えられるのに反し,TTS測定の場合の音刺激は閾値をはさんで常にわずかに上下し,被検耳の音感が出現と消失を繰返しておるため,この音感消失にょってある程度のadaptationの回復が計られる事に主因するものであろうと述べた。
もしこの推論が妥当であるとすれば,出力が僅かに変動する刺激音を人工的に作つてこの音により上記のabnormal adaptationと思われる現象を測定して見た時に,持続音による場合とは異つた結果が得られねばならない。
In both phenomena TTD and TTS the threshold value of the stimulating tone gradually take a steplike decrease as the degree of frequency modulation become increased. When the degree of tonal frequency modulation is increases the stimulating tone the threshold value becomes similar to that of interrupted tone.
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