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レオポンの使用経験
佐藤 朋也
1
,
原田 康夫
1
,
宮脇 浩
1
,
川本 伸雄
1
,
光藤 善
1
1広島大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.77-79
発行日 1963年1月20日
Published Date 1963/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202999
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Ⅰ.緒言
現今,耳鼻咽喉科領域に於ける悪性腫瘍に対する治療法は,先ず可及的早期にその発見に努め,観血的に可能な限り切除すると共に,放射線療法並びに化学療法を併用するのが最善である事は周知の事である。乍然,放射線療法及び化学療法の何れに於ても,その治療中,悪心,嘔吐,食思不振,全身倦怠,貧血,出血傾向の増大等の副作用を惹起する事は,日常我々の屡々経験する所であり,特に血球,就中白血球の減少を惹起するためかかる治療法を止むなく中断せざるを得ない症例が少くなく,屡々その対策に苦慮する所である。
扨て,かかる白血球減少症の予防並びに治療に対しては,新鮮血の輸血,更には「シスチン」,「システィン」,総合「アミノ」酸製剤(「モリアミン」,「パンアミン」「ポリタミン」等,「ヌクレイン」酸「ソーダ」,「アドレノクロムモノセミカルバゾン」,「アデニン」,葉酸,葉緑素,「ビタミン」B12等の薬剤使用等があり,この中,新鮮血輸血は,最も有効と考えられ,これは単に白血球のみならず血液像全般の改善を促すが,反面,肝障害を助長し,又操作が稍々煩雑であるという憾みがある。
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