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Ⅰ.緒言
戦後,Audiometerの出現及び手術用光学顕微鏡の実用性の増大等に伴い,内耳開窓術を始めとし,慢性中耳炎に対するMicrosurgeryが可能となり,ここ数年来内外各国において鼓室形成術の手術手技は急速に普及,発展しつつあり数多くの報告が行われている。
反面,この鼓室形成術に関する基礎的研究も,本手術がより完成されるためには欠くべからざるものである。なぜならば鼓室形成術が本格的に施術されるようになつてからの年月は浅く,従つてその遠隔成績,とりわけ術後聴力の問題,或は術後の再発性中耳炎,形成鼓室の推移の問題等に関しては,未結論の点が多々あつて,本手術は未だ完成されたものとはいえないからである。私達の教室においても鼓室形成術の進歩改善のために,種々の角度から研究,検討を加えつつあるが,その一連の研究の一環として,私達は形成された鼓室の問題を取り上げてみた。
As a means of advancing fundamental stu-dies oh tympanoplasty a method was devi-sed by which tympanic cavity was revealed in X-ray pictures (tympanography). These pictures were taken in various angles-both in normal ears as well as in ears in which tympanoplasty had been successfully perform-ed. Various aspects of this study are dis-cussed.
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