国際耳鼻咽喉科学会をめぐつて

　白岩　だいまから鼻の懇話会に移りたいと思います。ここにおいでの3先生方は，皆さん御存じの様にいずれも鼻科学の第一線に立たれて研究されている先生方でございます。3人の先生方はこのたびおそろいでパリの国際学会に御出席になりまして，つい先目お帰りになつたばかりでございます。西端教授はおもにドイツの各大学で，いろいろな御研究―もちろん鼻科学に関する―について講演をなさいました。それについてのお話は私も時々伺いました。これからいろいろためになる内容のお話が幾つか出てくると思います。名越教授はヨーロツパを回られてから，アメリカへ行かれまして，病院長としての職務をお持ちなのでいろいろの病院の形態，施設，内容などを御見学になつてこられたんですが，もともと専門は鼻科学ですから，どうしても注意がそちらの方に向かれたことと思います。いろいろ見聞された御話がある事と存じます。高橋教カ授もやはりヨーロッパで学会を済まされてからアメリへ回られまして，同教授の御専門のPlastic surgeryを御見学になつて来た御様子でございます。これから皆様と一緒に気楽な気持で御土産話を聞いて見たいと思います。そして御話しの間に先生方の口から漏れる鼻のことについての何かのテーマを私が引き出しまして，それについて御集まりの皆様方と一緒に，そういう問題について自由に御発言と御討議をしたいと思います。3人の先生方には遠慮なく御質問をなさるなり，御意見を述べるなりされて，気楽な気分で勉強していただきたいというのが，この懇話会のねらいでございます。どうぞそのおつもりでおみやげ話をお聞きになつて下さることを希望します。尚西端先生は御自分でとられた美しい8ミリの観光映画や，ドイツの各有名教授の日本の同学の方々に対する挨拶を録音された貴重なテープまでお持ち下さいまして，皆様に御披露下さるそうでございます。そこでまず3人の先生方に順々に，気楽なおみやげ話をしていただきたいと思います。もちろん時間は制限ございません。あすの朝までかかつてもけつこうだと思います。

　ひとつ西端先生からお願いしたいと思います。