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耳鼻咽喉科手術におけるFluothane全身麻酔の評価
一柳 邦男
1
1新潟大学医学部外科
pp.1067-1071
発行日 1960年12月20日
Published Date 1960/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202584
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I.緒言
Fluothane(2 bromo-2 chloro-1,1,1 trifluoroethane)は1956年Suckling1)により合成され,Johnstone2)によつてはじめて全身麻酔剤として実用に供せられたもので,halothaneとも呼ばれる。以来欧洲諸国,米国,カナダ等で種々動物実験と並行して,臨床的に汎く用いられ,従来の全身麻酔剤にない諸種の利点を有する,理想に一歩近づいた麻酔剤として,その地位を確立しつつある。
耳鼻科領域の手術を全麻下で行う場合は,一般外科のそれと異つた幾多の要求が満されねばならない。私は新大耳鼻科教室の要請により過去1年間耳鼻科手術の麻酔監理を行つて来たが,私の経験から,Fluothaneが現状では,最も耳鼻科手術の麻酔に適合しているのではあるまいかと考え,35年2月から7月まで無撰択的にFluothane麻酔を,各種手術の50例に実施してみた。
Ichiyanagi finds from his experience in using fluothane, an anesthethic agent, in 50 operative cases, that it is highly siutable in the operations of the field of otolaryngology. Various phases in the use of the agent are discussed.
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