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Ⅰ.緒言
1887年Hartmann1)は,純音聴閾移動の周波数特性によつてその障碍部位を判定しようと考えた。即ちcよりc4に至る五周波数(c,c1,c2,c3,c4)音叉の聴取時間の正常者のそれに対する%をグラフ化して,その型を4型に分類して観察した。爾来,高音難聴は神経性,低音難聴は低音器性という,半ば決定的な原則の下に,聴力障碍は観察され批判されて来た。近年音叉に代つてオージオメーターが聴力測定の機器として普及するに及んで,同様の意味に於けるオージオグラム聴力型の観察が企てられたのであつたが,一方Crow,Guild2)等を始め多数の研究者が,純粋の伝音器障碍に於ける高音難聴の存在を確認した事に始つた多くの可聴閾移動の周波数特性に関する研究によつて,聴力型の分類には,障碍部位の判定という意味は減じ,他方オージオメトリーの耳科臨床に於ける価値の拡大と相俟つて,聴力型分類の目的は大きく変貌しつつある。
分類に関する数多くの記載や,実際にそれが用いられている場合を考えて見ると,現在その目的とする所は主として次の3項にあると思われる。即ち,
Takashi Tsuiki and associates report the result of their analysis of 2,456 ears examined under careful audiometry. The materials for this study were made available from patients seeking consultation at the Outpatient Department of Otolaryngology, Tohoku University Medical School. This study consists chiefly of airconduction audiogram; significance of hearing types and their method of classification are discussed; a new procedure for such a method is proposed.
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