特集 喉頭腫瘍
声門下腔の茸状腫瘍の像を示した甲状腺髄様癌症例
向野 興雄
1
,
末吉 重彦
1
1国立筑紫病院
pp.440-441
発行日 1958年5月20日
Published Date 1958/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202016
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1.緒言
所謂悪性甲状腺腫のため気道ぶ圧迫されて呼吸函難,嗄声を来したり,食道が圧迫されて嚥下障害を招き,或は又反回神経が圧迫されたため嗄声が起ることは時々経験される。我々は甲状腺腫が既往に手術されていて,外頸部に腫脹等の病的変化がないので原発巣が隠蔽され,且つ通常見られる甲状腺腫による喉頭,気管の圧迫狭窄ではなく,気道内に茸状の腫瘍を形成し,恰も原発性の喉頭肉腫の様な臨床像を呈した極めて稀な症例を経験したので報告する。
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