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自律神経剤の作用機転について
岩田 逸夫
1
1名古屋第一赤十字病院耳鼻咽喉科
pp.45-47
発行日 1957年1月20日
Published Date 1957/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201718
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メニエール氏症候群に,ピロカルピンが非常によく効くという人,自律神経遮断剤テトラエチルアンモニウム塩(之は副,交両方に遮断効果があり,特に交感遮断作用の方が強いとされている)がよいという者,或は交感麻痺剤(イミダリン)がよいとか,或は重曹水(末梢血管拡張作用があるといわれている)注射がよいとか,又は迷走神経麻痺剤(フアイナリン)が効くという者あり,甚だしく区々たる様であるが何れも正しいのであろう。
而して之等の薬剤は其作用として,ピロカルピンは副交感刺戟,テトラエチルアンモニウム塩はシナプシスに於ける交感或は副交感麻痺,イミダリンは交感麻痺,重曹は末梢血管を拡張して,内耳血管の狭少及び透過性減少を来さしめ,フアイナリンは副交感麻痺を起させるものである。
Because of the fact that there is so much difference in individual reaction towards drugs directed for or against autonomic nervous sys-tem, Iwata emphasizes the importance of ma-king a proper selection of these agents suitable to an individual requirement.
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