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耳鼻科領域湿疹に対するレスタミンG軟膏の効果について
赤池 清美
1
,
堀悦 明
1
,
渡辺 一夫
1
1都南病院耳鼻咽喉科
pp.333-335
発行日 1956年5月20日
Published Date 1956/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201557
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緒言
膏藥療法は紀元前バビロン,アツシリアの時代に動物性油脂が軟膏基剤として初めて利用されて以来19世紀末期に出現したワセリンと共に疎水型基剤として近年に至るまで大した変革もなく踏襲して来たのであるが第二次大戦後乳化剤や高分子化合物の目ざましい研究の発展によりRedgroveの説くが如き乳化型及び水溶性軟膏基剤の出現を見るに至つた。その為に皮膚科領域疾患殊に湿疹に対する治療に一大変換がもたらされた事は今更贅言するを要しない所であるが本剤は吸水軟膏を基剤とする点から湿潤病巣に使用すると屡々増悪せしめる欠点も知られている。一方吾科領域湿疹に対する治療は成書によれば従来の膏藥療法の域を出る事なく報告に至つても僅かに佐藤等の1%テラマイシン軟膏の乾燥性鼻炎に対する効果についての報告が見られるのみである。こゝに私達は興和化学提供のレスタミンG軟膏(以下R.G.Sと略)を使用し好結果を得たので報告し諸賢の御批判を仰ぎたい。
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