--------------------
急性中耳炎に対するドミアンナトリウムの局所使用経験
佐々木 享
1,2
1砂川町立社会病院耳鼻咽喉科
2北海道大学耳鼻咽喉科教室
pp.306-309
発行日 1955年6月20日
Published Date 1955/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201337
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
私は一昨年,耳鼻咽喉の各種疾患に新サルフア剤,ドミアンを用いその効に見るべきものがあつたので報告したが,昨冬全国的に流行を見た流行性感冒に伴い,ペニシリンの無効な,或は1〜2ヵ月内に再発を操返し難治の中耳炎を多数見,之にドミアンナトリウムの局所使用を試みた所,期待以上の成績を見たので茲に報告する。
ドミアンナトリウムは,ドミアンのナトリウム塩であつて,苦味,無臭の白色結晶性粉末で水,熱アルコールに溶け易く,約290℃で熔融する。従つて任意の濃度の水溶液が容易に得られ,そのPHは400倍―7,1%8.6,5%―8.8,10%―9.0,20%―11.0,30%―11.4を示し,健康な皮膚,粘膜に対する刺戟が少い。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.