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耳科診療20年の回顧
岩田 逸夫
1
1名古屋赤十字病院耳鼻咽喉科
pp.287-289
発行日 1953年6月20日
Published Date 1953/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200910
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私が耳鼻咽喉科醫として實際診療に從事して既に20年を過ぎた。この間戰爭が數年の所謂ブランクの時代があつたとはいえ,20年前,否終戰前と今日との治療法とを比べれば隔世の觀がある。醫師會のあり方,健康保険の問題,學會のあり方等も幾多迂餘曲折,漸次よりよき方向に向いつつあり,耳鼻科の著書は益々多く,耳鼻科全書も昭和8年に始る久保猪之吉先生編の46册分に亙るもの及び昭和27年各權威者により始められたものとあり,日増しに進歩發展の一路をたどりつつあるが,然し今後に俟つべき問題も山積して居る次第である。
私は諸般の問題は割愛し,此處には一般治療を主として20年間に於ける變遷の有樣を頭に浮ぶまま綴つて,温故知新の資としたいと思う。
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