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異常莖状突起症
pp.444
発行日 1952年10月20日
Published Date 1952/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200761
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莖状突起が異常に長いと咽頭側壁に異物感,嚥下痛,(しばしば耳に放散する)肩凝り等がをこる。単に長いだけで症状が起るのでないらしい。これは舌根に達する程長い突起をもつていながら,症状のなかつた症例もみてをるし,又症状は突然発生するので恐らく,二次的に突起周囲に炎症が発及した事によるものと思われる。斯樣な症例は智歯難生,慢性扁桃腺炎又は耳疾患として取り扱われ,或いは高血圧,神経衰弱,ヒステリーであるとされる。診断は双手を以て触診する。一方の指を扁桃腺上にをき,他方の手をもつて外方から扁桃腺を内方に向つて圧する。すると扁桃腺の周囲に骨性抵抗をふれる。X線写真を撮影すればもつとも確実である。色々の撮影方向があるが筆者のもつとも推賞するのは副鼻腔の後頭前額位撮影である。突起が症状を発する程の長さならば上顎洞の側壁と下顎上行枝の間に垂直に走る棒状の影撮として現われる。治療は扁摘を行つてから,その術創から突起を切除する。
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