Japanese
English
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陰莖折症の1例
A CASE OF FRACTURE OF THE PENIS
千野 一郎
1
,
福島 孝
1
,
片山 泰浩
1
,
志賀 宗俊
1
Ichiro Chino
1
,
Takashi Fukushima
1
,
Yasuhiro Katayama
1
,
Munetoshi Shiga
1
1東京慈恵会医科大学泌尿器科教室
1Department of Urology, Tokyo Jikeikai School of Medicine
pp.883-885
発行日 1958年8月1日
Published Date 1958/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202337
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陰茎折症とは,勃起時陰茎に強い鈍性外力が作用し,海綿体及び白膜の損傷により,血腫を形成し,陰茎は彎曲し骨折の観を呈するものを言う。此れは成書にも記載されており起り得る可能性はかなり多い様に考えられるが,実際の報告例は非常に少なく,本邦文献例は長谷川,小林:大森:田辺,佐藤:飯田,秋山:本間等の5例に吾々の症例を加えて6例を数えるに過ぎない(第1表参照)。欧米に於いても文献上散見し得るが,Tho-mpsonの報告例を見ても彼の臨床経験25年に初めて遭遇せることを述べている。斯様に少いものである。
陰茎折症の誘因となるものとして,RediはTunica albugineaの硬化性変化を,Guyonは尿道の狭窄を,Fetter and GartmanはCorporacavernosaのcystishなdegenerationを,Winiwartesは尿道炎及び尿道周囲炎等を挙げているが,実際例に於いて必ずしも該当すると思われる如き既往症を有せざるものも多い。
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