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緒言
口蓋扁桃肥大については古来幾多の論議がくりかえされ,詳細な統計も数多く報告されているにも拘らず,現在に至るもなお口蓋扁桃肥大(以下扁肥と略す)が果して肥大症と呼ばれる如く疾病であるか,或は生理的のものであるか,従つて之を切除乃至は摘出する事が正しいか否か正しいとすればその基準を何処におくべきか等については種々意見の相異がみられる所である.余が集め得た本邦学令期児童の扁肥統計38例に於て全学童に対する扁肥者の百分率は最低4.25(渡辺),最高50.23%(津田).(未発表のものでは最近70〜80%のものもある.)であつてその間第1表の如く実に種々の値をとつている.大体20〜30%のものが多いが,之等の統計の扁肥判定の標準が一定しない以上之等を比較して論じる事は意味がない.即ち之等の統計の標準は最も多いのは成書にも記載されているマツケンヂーの分類又はそれに準じるものであり,その他ピルケーの分類((1)口蓋扁桃が窩に埋没せるもの,(2)後口蓋弓に達しないもの,(3)窩を満すがそれ以上隆起しないもの,(4)明に窩より突出したもの,(5)腫瘍状を呈し両側殆もど相接するもの.)或は自己の見解によるもの(例えば近藤の,(1)扁痕,(2)扁小,(3)扁中,(4)扁大の如き分類),又明示していないものもあり,為に報告された扁肥の程度が判然としない
余は最近市内某小学校に於て行つた学童の扁肥検査の成績を報告し,従来の統計と比較し,之等に統計学上からの考察を加えたいと思う.
KOYAMA conducted a statistical survey among children of a certain primary school in quest of di-fference of age and sex, the state of tonsils and the morbidity rate towards "colds", but, failed to note differences of any signifiacnce His results showed that, Particularly with children in this age grcup, the mere fact that the tonsil is hypertrophic could not he a criterion for a diagnosis of pathological s-tate because there were no amount of significant difference in the general healtn of the children when the tonsils were hypertrophic and when they Were not.
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