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ペニシリンと黒毛舌
K. K.
pp.471
発行日 1950年11月20日
Published Date 1950/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200421
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ペニシリンを内服すると舌が黒くなるとゆう現象をCrossが報告し,次でWoefsonがJ. A. M. A. 1940,140に興味ある症例を記載した.その原因はいろいろ言われているが,兎に角ペニシリンを經口的に攝取した事に原因がある事は疑う余地がない.舌の系状乳頭が胞大して角質となり遂には毛樣体?物になる.これに色素が沈着して帶廣褐色から黒色に迄変化し黒毛舌になるのである.始めは驚かされるが,ペニシリン内服後早くて2日目,遅くて9日目,平均して4日目位に始まるとゆう.その出現率は何と30%に達するとゆう.
処で最も廣く用いられている筋注でも起るかとゆう事だが,最近Lahiriの報告によると5万單位のペを3時間毎に注射し総量50万單位を用いた.之を注射し終つでから6時間後に舌が黒くなり,更に12時間後には消失したとゆう.
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